1.キャンパスライフ
海外の大学は入学するのもそれなりに厳しいですが、入ってからがたいへんです。一定の成績を維持していないと退学になってしまうため、どの学生も勉強をしっかりします。テスト期間中などは、キャンパス内や図書館などで夜遅くまで勉強している姿があります。キャンパス内に寮を持っている大学も多く、寮に住むか、大学の近くに学生同士でルームシェアをするのが一般的です。
基本的に通学は車で、申請した決まった場所に車を停めます。生徒用と職員その他用など細かく分かれていて、許可証がある車のみ停められます。キャンパス内をパトロールが巡回して、許可証のない車をチェックしているところもあります。一時的に停める場合も、時間性のチケットを買う必要があります。 車を持っていない場合は「カープール」と言って車を持っている人がみんなを乗せあったり、バスで通うこともあります。学生証を見せるとバスの料金が学生料金になるところもあります。
最近ではノートPCを持ち歩く学生が多く、授業をPCで取る生徒のキーボードの音が響きます。キャンパス内には芝生も多く、休み時間などには芝生の上で語り合ったり、勉強している学生も見かけます。キャンパスが広い大学も多いので、敷地内をスケートボードや自転車で移動する学生がいます。
勉強が忙しい大学生ですが、それでもアルバイトをする学生がいます。家庭教師やキャンパスツアーガイドなど、学業にちなんだバイトも人気です。 基本的に学生ビザでは働くことができないため、留学生のアルバイトには制限があります。正規の大学生・大学院生であれば、図書館やカフェテリア、インターナショナルオフィスやブックストアなど、申請すればキャンパス内に限って週20時間まではアルバイトをすることができます(語学学校では許可されません)。 成績が悪ければできなくなる、などの措置もあるのであくまでも学業優先です。留学生は基本的に英語を母国語としない人が多いため、ただでさえ授業についていくのは大変です。アルバイトを検討する場合は、学業とのバランスをよく考えた方がよいでしょう。
教材は、大学内のブックストアで売っています。必修で必要な教科書もいくつかあり、中古が売っている場合もありますがたいてい1冊が分厚く、値段は高額です。特に留学生などは、前に受けた学生から譲ってもらったり、安く売ってもらえばベストでしょう。最近ではネットで手に入る場合もあります。内容があまり変わらない場合は、旧バージョンの教材で間に合う場合もあるので調べてみましょう。
2.運転免許
4年制の大学など長期滞在の場合、基本的に車社会のアメリカでは現地の免許を取得することをおすすめします。免許はIDにもなるので、パスポートを持ち歩かなくてすみます。 まずは筆記試験を受けることになります。英語のテストですが、日本語でも受けられます。経験から言うと、日本語のほうがわかりづらいため英語で受けたほうが無難でしょう。ネット上で過去問題や例題もあり、最近ではテストのアプリも存在するので自分で勉強できます。 筆記試験に受かれば実技試験を受けます。車は自分で持ち込みなため、まだ車を持っていない場合はすでに免許を持っている人の車を借りるなどします。筆記に受かれば仮免許が発行され、路上で練習することができます。
基本的に日本のような自動車学校はないので、すでに免許を持っている人に同乗してもらうなどして練習しましょう。アメリカの左ハンドル、右側通行にも慣れておく必要があります。実技も英語で行われるので、ある程度予想される単語はわかるようにしておきましょう。車の所有には登録が必要になり、手続きをします(日本のような車庫証明は必要ありません)。ディーラーなどで購入すれば、手続きはやってもらえます。日本と同様保険に加入する必要がありますが、住んでいる地域の治安などによっても保険料も変わってきます。
3.留学の準備
留学するまでにはさまざまな準備が必要です。留学費用は決して安くはありません。大学・大学院への入学を検討する場合は時期も決まっていますし、事前に揃える書類等も相当数になります。逆算して余裕を持って準備する必要があります。
3-1)手続きをするにあたって個人でするか、エージェントを使うか
個人で続きすれば費用は安くすみますが、ある程度英語力が必要になります。特にビザ申請は複雑で提出書類も多く、これが受理されないと渡航できません。海外とのやり取りにもなるため大変な作業になります。一方、留学エージェントもさまざまあり、エージェントによっても手数料は異なります。提携校を持っていたり、得意な国があったりするので、自分に合ったエージェントを探しましょう。エージェントを使う場合は、基本的に渡航後のフォローをしてくれ、トラブルや相談にも乗ってくれます。
3-2)学校を決める
費用、どんな学部や学科があるか、場所、設備など、できるだけ詳細な情報を集めましょう。最近ではHPを持っている大学も多くあり、オンラインで資料も請求できます。可能ならば卒業生などに話を聞いてみて、実際にどうなのかを聞いてみると参考になります。
3-3)入学要項・願書を取り寄せ提出書類をそろえる
学校が決まったら、必要な書類を取り寄せ提出書類を用意します。エージェントを使う場合は基本的に担当者が手続きをしてくれ、必要な項目や書類を教えてくれます。個人で手続きする場合は、すべて自分でやらなければなりません。願書の締め切りなどにも注意しましょう。
ほとんどの大学では、入学に関して必要条件が提示されています。ある程度の英語力を課しているところが多く、到達していない場合はESLなどの語学学校で英語力を伸ばしてからの入学や、語学学校に行くことが条件づけられている場合もあります。逆算して余裕を持って準備する必要があります。英語力がある場合も、決められた英語の資格やスコアを提出する必要があります。たいていはTOEFLやIELTS、GMATなどの一定スコアをクリアしている必要があります。
アメリカの場合、OPT(Optional Practical training)という制度があり、一定条件をクリアしていると学生ビザでも条件つきで有給で働くことができる場合があります。学校やプログラムにもよるので、興味がある場合は事前によく調べる必要があります。OPTから就業ビザ(H1ビザ)につながる場合もありますが、必ず保証されているものではありません。あまり知られていませんが、就職に学部が関係ない日本とは違い、就労ビザ申請の際には、学部やこれまで勉強してきたこと、仕事内容が関係してきます。OPTにしろ、就労ビザにしろ、条件をクリアして申請したからといって必ず取得できるものではないということは知っておいたほうがいいでしょう。
3-4)有効期限に余裕のあるパスポートを用意する
まずはパスポートが必要になります。ビザ申請に際して、ある一定の有効期限のあるパスポートが求められます。海外転出届けなど、日本を出るにあたっての必要な手続きもしておきましょう。
3-5)住居
エージェントを使用する場合は、住居の手配もしてくれます。初めて海外に行く場合や、あまり情報がない地域などの場合は、割高にはなりますがエージェントを通して手配する方が無難でしょう。現地に行って様子が分かってから自分に合ったところを探すことをおすすめします。 個人で手続きする場合は、学校が紹介してくれる場合もあります。知り合いなどがいる場合は相談してみるのも1つの方法です。いずれにしても、海外では予想外のことは必ず起こりえます。聞いていた条件や様子と異なることも多々あることは心に留めておいてください。
3-6)携帯電話
短期の場合は海外対応にしていくか、空港などで携帯を借りて行くのも1つの手です。長期になる場合は現地で携帯を契約したほうが無難でしょう。SIMレス携帯を持っている場合は、現地でSIMカードを買って使用すれば端末を購入しなくてすみます。 現地で携帯を契約する場合は、日本のように口座引き落としの後払い(post paied)か、事前に購入するカードの金額分が使用できるプリペイド式を選ぶことになります。 留学生の場合はデポジットを求められたり制限されたり場合もあるので、できれば現地の人や英語のわかる人と一緒に契約しに行くことをおすすめします。スマホなら、英語表示のみの端末でも日本語入力・表示のアプリをダウンロードすることもできます。
3-7)飛行機の予約
エージェントを使うなどして、現地に着いてからの送迎やルートが確保されている場合は安心ですが、個人の場合は到着時間を考慮したほうが安心です。早朝や夜遅い便は比較的安い場合がありますが、治安の問題や予想外のトラブルが起きるなど、何があるかわからないのでできれば避けた方が無難です。自分の乗る航空会社の手荷物の制限や持ち込み可能な個数なども確認しておきましょう。
3-8)その他必要と思われる物を用意する
最近では、大都市などでは日本の物でも手に入りますが、それでも日本でしか手に入らない物もあるので用意していくといいかもしれません。 現地の大学の保険に入れる場合もありますが、海外旅行保険は日本国内でないと基本的に加入できないので、入っておくと便利です。できれば日本のクレジットカードも1枚用意するといいでしょう。 最近では海外対応のPCや電化製品も多く、その場合変圧器は必要ありませんが、基本的に変圧器が必要です。 飛行機の手荷物の制限もあり、荷物を送るのにもお金がかかります。PCなど日本に持ち帰るのが前提の電化製品以外は、現地に置いていくつもりで現地で購入した方が無難です。コンセントや電圧なども確認しておきましょう。服は当面必要なものを荷造りし、現地で買うか、後から必要なものを送ってもらうなどで十分です。
海外に住むということは、旅行とは異なります。文化も習慣も違う国で生活するのだということを考え、自分が現地では外国人なのだということを意識しましょう。慣れるまでは大変なことも多々ありますが、文化の違いを楽しんで、心に余裕を持って生活しましょう。そうすれば、きっと新しい世界がひろがり、有意義なものになります。
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